あいのわ ダスキン愛の輪基金

2020年06月29日

第39期研修派遣生 研修報告

畠山幸子さん杦本友里さん

第39期研修派遣生 畠山幸子さん 研修報告

私は今回カリフォルニア州のサクラメント郡を中心に研修を行い、本来の研修目的である教育支援以外にも障がい者に対する価値観の違いを感じることが出来ました。 まず、生活をしていて一番に驚いたのはどの道を通っても歩道には必ず黄色や黒など様々な色の点字ブロックのようなものではっきりとした印で段差がない道が作られていました。お店にもほとんど車いすマークが貼られており、気づいた人が助けることが当たり前という考え方を感じました。

所属先のSacramento Autistic Spectrum and Special Need Alianceでは、クライアントの相談に乗るところを見学し、アメリカの教育支援の仕組みについてとその組織とNPO団体やその障がいの専門家が対象児童のためにチームを作り活動する仕組みを学びました。

また、Disability Right of Californiaというところで、障がい者の権利運動の歴史や州憲法や政府機関と障がい者の繋がりについてインタビューをしました。また、学習支援に纏わる展示会にも参加し実物を見たりすることができました。 学校などの具体的な見学は今回の研修では数多く行くのは難しかったものの支援機関がもつ施設や小学校の学童の見学は少し出来ました。そこで感じたのは、車椅子であることには特に驚くこともなく、1人の人として私に話しかけてくれたことでした。 これは小さな頃から街中に様々な障がい者が身近に当たり前にいることが理由などではないかと思いました。そしてそれがあるのは、街中がとてもアクセシブルであることが理由だと気付かされました。

第39期研修派遣生 杦本友里さん 研修報告

国際的なメンタルヘルス研究の最前線に触れて、世界共通の重要課題に取り組む素晴らしい方々に出会うことができました。

アメリカ合衆国のマサチューセッツ州ボストンに滞在しつつ、ハーバード大学メディカルスクールに通いました。国際保健を専攻とする研究科の中で、「グローバルメンタルヘルス」という分野の研究の最前線に立つ研究室に所属していました。私の研究の焦点は、「若者にとっての精神疾患の予防策とは何か?」ということにあり、これは世界的に見ても精神疾患の罹患を20代前半までに経験する人が多いという問題も背景としています。何より、私自身がもっと若いときにちゃんとした知識や対処を知っていたら現状が違っていたかもしれない、そんな原体験も関係しています。

ところが、最初に研究目標や計画を設定し、さあこれから本格的に研究活動を頑張ろう、と気合を入れたところで、新型コロナウイルス拡大の影響により、滞在開始後わずか一ヶ月でアメリカを去らなければならなくなりました。予期していなかった早期帰国は本当に残念でしたが、帰国してからもオンラインで専門の授業を受けたり、指導教官や研究室メンバーとやりとりを続け、自分の置かれた状況の中で自分にできることに取り組みました。オンラインの授業では、世界各地から参加しているとてもモチベーションの高い学生たちと意見交換できたことも大切な経験となりました。短いながら今回の研修を通して、いつどこであっても、その場でできる自分のベストを尽くすことが何より重要なのだと学びました。

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