あいのわ ダスキン愛の輪基金

2016年07月20日

第35期研修派遣生
北原新之助さん研修報告

皆さんは“音楽療法”と聞いたとき、まず何を思い浮かべますか?『音楽を聴いて癒されること』と思われる方が多いかもしれません。確かにそれは音楽療法の1つと言えますが、それが全てではなく、現在の日本において音楽療法はまだまだ浸透しているとは言えず、それに対する考え方も少し偏っている面があると僕は感じています。 僕の研修先であるオーストリアでは、音楽療法が国家資格として認められており、音楽療法士という存在は理学療法士と同じくらいの信頼があって、多くの音楽療法士が病院や介護施設などの現場で活躍しています。 現在の日本では、理学療法士や鍼灸師といった職業が視覚障害者の主な就労先となっており、就労の選択肢は限られているのが現状です。 僕はこの”音楽療法士”という職業が、視覚障害者をはじめ障害のある方々の就労の1つになるのではないかと思い、現在、オーストリアのウィーンで研修をさせて頂いています。 ウィーンでは“Wiener Institut fur Musiktherapie(WIM)ウィーン音楽療法士会”のメンバーの方からオーストリアの音楽療法の現状や、日本とオーストリアの捉え方の違いについてなどのお話を伺ったり、ウィーン国立音楽大学音楽療法学科の授業の聴講をさせて頂き、オーストリアだけでなくヨーロッパ各国の音楽療法について学んでいます。

また、今回の研修ではドイツ.チェコ.イタリアといったヨーロッパにある視覚障害者のための職業訓練センターや盲学校へ訪問し、視覚障害者の就労の現状や教育環境、指導方法などについても研修させて頂いています。 その他にもこちらの視覚障害者のための設備や取り組みには興味深いものが多くあり、一部写真にも掲載しましたが、横断歩道には、その道路がどのような構造なのか解りやすく点字表記がしてあったり、美術館や博物館では“触れて”鑑賞出来る3D化された絵や、視覚障害者のための館内ガイドなどが導入されています。こういった取り組みは日本ではあまり見られ ず、日本にも取り入れたいアイデアであり、今回の研修の成果を活かして帰国後、何かプロジェクトを行えたらと考えています。 この海外研修も終盤を迎え、帰国の日が近くなって来ています。その最後の日まで元気に、悔いのない自分らしい研修にしたいと思います!

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